企業型DCは有能な人材獲得に不可欠
①相談内容
取引先の大半がIT企業で、多くの取引先が企業型DCをすでに導入。ITエンジニアを中心に転職活動を支援する中で、DCのポータビリティについて話題になることも多い。自社で企業型DCを導入していないのはまずいとのトップの焦りがある中で相談あり。
②争点
社員のほとんどがiDeCoに加入しているため、現在の掛金月額2.3万円よりも多くの掛金でなければ導入の意味がない。
③解決内容
・制度設計は選択制とした。そうすることで希望する方が加入できるようにした。
・社員が掛けたい金額を積立できるよう給与水準を見直し、月額上限5.5万円を実現した。
・拠出は60歳までだが、社員の平均年齢は32歳なので十分な積立期間を確保できている。
・既にiDeCoでの資産を持つ社員は制度導入後、資産を移換して企業型DCで一括管理できるようにした。
④社労士所感
IT市場は大企業からの転職も多い。その場合、企業型DC加入者が多いので受け入れ側も企業型DCを準備しておくことは前提条件になりつつある。転職市場は当然だが、新卒者でIT業界への就職希望者の中には資産形成の意識が高い方々も多いので、企業が福利厚生として企業型DCを整備することは今後一層、不可欠となる。