従業員の士気向上と定着率を高めるために企業型DCを導入
①相談内容
前年、前社長が大きな問題を起こしてしまったことで会社全体にダメージを与えており、従業員にも動揺が拡がっていた。新社長が
②争点
従業員の離職率を抑えて行くため、モチベ―ションをアップさせるために何が必要かを考えた。
・単純な賃金アップでは一時的な問題解決にしかならない
・会社の将来を見据えて従業員が希望をもって働くことのできる環境を整える必要がある
・今後、有能な人材を獲得していくためにも繋がっていく施策を考えたい
③解決策
従業員の退職後の生活を守る姿勢を示すことで離職防止を防ぐため、退職金制度としての企業型DCを導入した。
・会社拠出+従業員拠出で掛金を設計できるようにした。
・40代社員も多いため、拠出を65歳までとした。(定年60歳だが継続雇用65歳なので、65歳まで続ける設定が可能)
現段階では従業員に十分な金額を出すことが出来ないため、まずは無理のない範囲で掛金を設定し、従業員も自身の給与から追加で掛金を増やせるようにすることで、従業員の各自の判断で積み立て出来るようにした。
結果、従業員からの評価も上々で離職率も想定より抑え込むこともできている。
④社労士所感
従業員が抱えている様々な不安の中で何から解決していくことが離職防止へと繋がっていくかという視点から考えた。
その際、退職金制度がなかったので従業員数30名を考えると導入に踏み切って良いタイミングと捉え、企業型DCを提案した。
現状を考えると従業員ごとに十分な金額を用意することはできないが、従業員が給与の中から追加で積立できる設計を取り入れることで、むしろ従業員がより積立に関心を持つことが出来る環境を整えることがメリットと感じてもらえるようにした。
今回の導入によって従業員が将来の資産形成に対する意識を向上させることによって、定着率の向上に繋げていけたら企業型DCを導入した価値も高まっていくことと思われる。



