業種別カスタマーハラスメント対策企業マニュアル「スーパーマーケット業編」公表
背景
近年、顧客等からの著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)が増加し、社会的な問題となっています。そうしたなか、厚生労働省は、カスタマーハラスメント防止のためには、業種・業態ごとの状況に応じて必要な取組を進めることが効果的という考え方のもと、業界共通の対応方針等を策定・発信するまでの取組支援をスーパーマーケット業界について実施し、今年3月に「スーパーマーケット編」の対策企業マニュアルを公表しました。
カスタマーハラスメントとは
厚生労働省のマニュアルでは、カスタマーハラスメントは「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」とされています。
厚生労働省の運営するハラスメント対策のウェブサイトでは、威圧的な言動や、従業員個人への攻撃・要求など様々な具体例が紹介されています。
カスタマーハラスメントへの対応策
カスタマーハラスメントへの対応方法については、明らかな暴力行為等を除き、状況を正確に把握し判断することが重要です。
また、単独で判断するのではなく、複数人で客観的に判断し、対応方法を検討することが大切です。
マニュアルの構成
マニュアルでは、事業の中で行った実態把握調査をもとにスーパーマーケット業界におけるカスタマーハラスメントの発生・対応状況を分析し、それらを踏まえて、業界団体や労働組合と検討を行い、業界共通の対応方針や企業が取り組むべき対策等を示しています。構成は、次のとおりです。
・カスタマーハラスメント対策に取り組む意義
・カスタマーハラスメントとは(定義、判断基準)
・業界におけるカスタマーハラスメントの実態(発生状況、対応状況)
・業界共通の方針(ハラスメントの行為・類型、対応方法)
・企業が取り組むべき対策
3月にはカスタマーハラスメント対策を企業に義務付ける労働施策総合推進法の改正案が閣議決定され、今国会で成立の見通しです。本マニュアルは、「スーパーマーケット編」ではありますが、他業界においても、義務化されるカスタマーハラスメント対策を具体的に検討するうえで、参考になります。