在留資格の申請は会社がサポート
外国人社員の採用決定から入社までの実務について、解説します。
留学生や海外在住の外国人の採用が決まったときは、当該内定者に就労が可能な在留資格を取得してもらわなければなりません。不慣れな外国人がひとりで申請をすることは難しく、会社が全面的にサポートする必要があります。なお、身分系在留資格(永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等)で在留する外国人を雇用する場合は、在留資格の手続は必要ありません。
在留資格申請のフロー
採用内定後、速やかに、就労可能な在留資格の取得申請の準備に入ります。本人の属性や就労内容に合致した在留資格を決定し、本人の学歴、職歴等を詳細にヒアリングしながら、その適合性を説明する採用理由書を作成します。また、受け入れる会社の適正性、安定性、継続性も審査の対象となるため、それらを証明する会社側の資料も準備します。在留資格申請のフローは、図表をご参照ください。申請は、オンラインで行うことも可能です。
就労開始まで
審査には、数か月(2~6か月程度)の時間を要します。審査が無事完了したら、在留カードの発行手続に進みます。在留カードを本人が受領して初めて、就労が可能になるため、審査が完了しないまま入社予定日を過ぎてしまった場合は、入社日を延期するなど、就労開始日を調整する必要があります。
転職の場合
日本国内で就労している外国人を採用するときは、在留カードで、その在留資格が就労する業務内容に適合するか、また在留期間が有効期間内であるかを確認します。万が一、適法でない状態で働かせてしまうと、会社、外国人共に不法就労助長罪に問われる可能性があるため、必ず確認しなければなりません。
特に在留期間が長く残っている場合は、「就労資格証明書」の交付申請を行うことをお勧めします。「就労資格証明書」により、当該外国人が現在の在留資格で自社の業務に就くことができるか、確認することができます。ここで確認しておけば、次の在留期間更新も問題なく許可されることが見込まれ、安心です。
まとめ
以上の様に、外国人の採用にあたっては、会社側も在留資格のルールや申請フローを適切に把握し、準備を進めることがとても重要になります。
在留資格の申請は、一度失敗してしまうと二度目の申請は審査のハードルが上がってしまいます。外国人のキャリアや一生に影響してしまう重要事項ですので、初心者は専門家を活用することをお勧めします。