住宅手当を再設計し、割増賃金を適正化
①相談内容
顧問先の製造業A社から、「割増賃金の計算方法に誤りがあるかもしれない」との相談がありました。確認したところ、時間外労働に対する割増賃金の基礎単価から、一律に支給している住宅手当を除外していたことが判明しました。
②争点
割増賃金の基礎となる賃金には、基本給のほか、所定労働時間の労働に対して支払われる賃金のうち、法令で除外できると定められたものを除いた全てが含まれます。
住宅手当は、家賃などの実費に応じて支給される場合のみ除外可能ですが、一律に定額で支給される住宅手当は除外できず、割増賃金の基礎単価に含める必要があります。
A社の場合は「一律定額支給」であったため、除外は認められませんでした。
③解決内容
- 過去の割増賃金の精算
法令に基づき、住宅手当を含めた基礎単価の算定方法を説明し、過去の不足分については労使協議のうえ精算する方針を決定しました。 - 住宅手当の支給方法を見直し
割増賃金の基礎から除外できるよう、住宅手当を「実費弁償的な性質」に変更する提案を実施。家賃額やローンの支払い額に応じて支給額が変動する仕組みに改定しました。 - 不利益変更にならないよう配慮
現行の住宅手当額を下回らないよう支給基準を設計し、労使協議を経て従業員に納得感のある制度変更を実施しました。
④社労士所感
住宅手当の取り扱いは、割増賃金計算において誤りが生じやすいポイントです。名称だけで除外できると誤解されがちですが、実費に応じた支給でなければ除外できません。今回の事例のように、制度設計を見直すことで未払い賃金トラブルの回避と従業員の納得感を両立できます。定期的な賃金項目の確認と、制度の適正化が重要です。
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