労働安全衛生法の改正
労働安全衛生法が改正され、2026年4月1日(一部除く)より施行(公布日2025年5月14日)されます。主な改正点は、次のとおりです。
改正点
今回の改正では、少子高齢化が進み、生産年齢人口の減少が見込まれるなかで、多様な人材が安全に、かつ、安心して働き続けられる職場環境を整備するため、個人事業者等に対する安全衛生対策の推進や高年齢労働者の労働災害防止のための取組の強化が図られました。その他にも、職場のメンタルヘルス対策の強化や化学物質による健康障害防止等の仕組みの整備等が講じられています。
個人事業者等に対する安全衛生対策の推進
労働安全衛生法上で、事業を行う者で労働者を使用しないものを、個人事業者として位置付けます。
そのうえで、個人事業者についても、業務上災害の報告制度が設けられます。
職場のメンタルヘルス対策の推進
労働者数50人未満の事業場についても、ストレスチェックが義務化されます。
施行日は、公布後3年以内に政令で定める日です。
化学物質による健康障害防止対策等の推進
化学物質の譲渡等実施者による危険性・有害性情報の通知義務違反に罰則が設けられます(施行は公布後5年以内に政令で定める日)。
また、作業環境における労働者の有害な因子へのばく露の程度を把握する個人ばく露測定が作業環境測定の一つとして位置付けられます(2026年10月1日施行)。
機械等による労働災害の防止の促進等
特定自主検査及び技能講習の不正防止対策の強化のため、登録機関や検査業者に対して、不正への対処や欠格要件が強化され、検査基準への遵守義務が課されます(2026年1月1日施行)。
高齢者の労働災害防止の推進
高年齢者の労働災害の防止を図るため、高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善、作業の管理その他の必要な措置を講ずることが努力義務となります。
参考リンク
労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案の概要
それぞれの施行日までに改正内容に対応できるよう、ご準備ください。特に、ストレスチェックの義務化は、50人未満の事業場の負担等に配慮し、施行日まで3年以内の準備期間が設けられました。2015年にスタートしたストレスチェックは、厚生労働省による実施マニュアルや様々な資料が公開されていますので、それらを活用しながら準備を進めましょう。