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結局「投資信託」って何?企業型DCを始める前に知っておきたい投資の基本

「投資信託って結局何なのでしょうか?」企業型確定拠出年金(企業型DC)の説明をしていると、このような質問をいただくことがあります。

「株とは違うのかな?」「投資信託も投資なんですよね?」「何となく聞いたことはあるけれど、仕組みまではよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。
企業型DCでは加入者自身が運用商品を選び、老後に向けて資産形成を行っていきます。その中心となる運用商品の一つが「投資信託」です。
ところが「投資」という言葉がついているだけで、「難しそう」「大きなお金が必要そう」「株価を毎日チェックしないといけないのでは?」

「損をするのが怖い」と感じてしまう方も少なくありません。
今回は投資初心者の方に向けて、そもそも投資信託とは何なのか、なぜ企業型DCで投資信託が活用されているのかを分かりやすく解説します。

下記動画でも詳しく解説していますので参照下さい。

【投資信託】貯金だけは危険?企業型DCと投資信託でインフレに勝つ資産形成

そもそも「投資」、「投資信託」をきちんと把握

まず最初に整理しておきたいのが「投資」と「投資信託」の違いです。「投資」は、お金を投じて将来の利益を期待する行為そのものを指します。一方「投資信託」は、投資をするために利用する金融商品の一つです。金融商品には、預貯金、債券、株式、投資信託等、様々な種類があります。一般的に預貯金や債券は比較的値動きが小さく、その分期待できるリターンも小さくなる傾向があります。反対に株式は価格が大きく変動する可能性がありますが、その分、大きなリターンを期待できる場合があります。
これがいわゆる「ローリスク・ローリターン」、「ハイリスク・ハイリターン」という考え方です。
では投資信託はどこに位置するのでしょうか。ここが少し分かりにくいところです。

投資信託は金融商品の「幕の内弁当」

私たちが投資信託を説明するとき、よく使っている表現があります。それが「投資信託は金融商品の幕の内弁当」というものです。幕の内弁当には、ご飯だけではなく、焼き魚、卵焼き、煮物、漬物など、いろいろなおかずが少しずつ入っています。投資信託も同じようなイメージです。
ひとつの投資信託の中に、国内の複数の株式を少しずつ集めてセットにしたり、海外の複数の株式を少しずつ集めてセットにしたり、国内と海外を併せたり、または株式と債券を組み合わせたり、そこに不動産(REIT)を加えたり等、様々な投資対象を組み合わせることができます。つまり一つの商品を購入することで、複数の資産に投資できるのです。これが投資信託の大きな特徴です。
弊社が取り扱っているSBIベネフィット・システムズ社の「SBIいろどりプラン」では、40本の投資信託の金融商品が用意されています。この商品を一つ選ぶだけで、既に複数の株式あるいは債券に分散投資していることとなり、リスクを軽減しています。

なぜ「分散」が大切なのか

では、なぜ一つの商品に集中するのではなく、分散するのでしょうか。理由はリスクを分散するためです。
例えば資産の全てをA社の株式に投資したとします。A社の業績が好調で株価が上昇すれば、大きな利益が出るかもしれません。しかし反対にA社の業績が急激に悪化すれば、保有している資産全体が大きな影響を受けてしまいます。
そこでA社だけではなくB社、C社にも投資する。日本だけではなく海外にも投資する。株式だけではなく債券などにも分ける。というように投資先を分散します。こうすると一つが値下がりしたとしても、別の資産がその影響を補ってくれる可能性があるからです。もちろん分散すれば絶対に損をしないという意味ではありません。投資信託にも元本割れの可能性があります。

しかし一つの資産だけに集中するよりも、複数の投資先を組み合わせることで、特定の企業や資産の値動きによる影響を抑えやすくすることができます。これが分散投資の基本的な考え方です。

投資信託は専門家が運用してくれる

投資信託のもう一つの大きな特徴が、運用を専門家に任せられることです。
仮に自分一人で本格的な分散投資をしようとしたらどうでしょうか。

・国内のA社の株式を買う。
・海外のB社の株式も買う。
・債券も購入する。
・不動産にも投資する。

更にそれぞれの値動きを確認しながら必要に応じて売買していく。これを日々の仕事や生活を続けながら行うのは、簡単ではありません。投資信託では投資家から集めたお金を一つの大きな資金としてまとめ、運用会社などの専門家が株式や債券などに投資・運用します。
そのため投資についてまだ詳しくない方や、投資の勉強に多くの時間を使えない方でも利用しやすい金融商品となっています。

少額から投資できることも投資信託の特徴

投資というと「何十万円、何百万円という資金が必要なのでは?」というイメージを持っている方もいるかもしれません。確かに個別株の場合、株価や売買単位によっては、まとまった資金が必要になるケースがあります。
一方、投資信託は比較的少額から始められるものもあります。大きな資金を一度に投じるのではなく、毎月一定額を少しずつ積み立てていくこともできます。そしてこの仕組みと非常に相性が良いのが企業型DCです。
企業型DCでは、加入者ごとのDC口座に毎月掛金を拠出し、そのお金で運用商品を購入していきます。加入者は商品ラインアップの中から運用商品と配分割合を選択します。例えば外国株式の投資信託50%、外国債券30%、日本株式20%というように、自分で組み合わせることもできます。
一度に大きなお金を投資するのではなく、毎月コツコツと積み立てる。これは、投資初心者にとっても取り組みやすい方法の一つです。

なぜ今、投資を考える必要があるのか

ここまで読むと「投資信託の仕組みは分かった。でも、そもそも投資をしなければいけないの?」と思う方もいるでしょう。もちろん投資をするかどうかは最終的には一人ひとりの判断です。ただし、これからの資産形成を考えるうえで、ぜひ知っておきたいのがインフレとお金の価値の関係です。インフレとは簡単に言えば物価が継続的に上昇していくことです。
例えば、以前100円で買えたものが、150円、200円になったとします。手元にある100円という数字は変わっていません。しかし、その100円で買えるものは少なくなっています。
つまり「物価が上がる=お金の実質的な価値が下がる」ということです。
下記の資料を見ると分かるように、ポテトチップスは1975年に90gで100円でした。これが2008年に150円、2023年に200円となりました。実際には200円もせずに買うことが出来ていると思いますが、それは内容量が90gから55gに減っているから120~130円程度で買えるわけです。
この物価上昇への対策として、投資が効いてくるのです。投資は100円の価値を120円、130円にあげて行くので、100円で買えていたものが引き
続き、買うことが出来る、ということになります。

「貯金しておけば安心」とは限らない

貯金には大切な役割があります。日々の生活費や、突然の病気、失業、家電の故障など、すぐに使う可能性があるお金まで投資に回すべきではありません。一方で長期間使う予定のないお金まで、すべて現金のまま保有していればよいとも限りません。
例えば年2%の物価上昇が30年間続いたと仮定すると、現在1,000万円で購入できるものと同じものを、30年後に1,000万円で購入することはできません。下記資料の通り、年2%のインフレが続いた場合、現金1,000万円の実質的な価値は30年後には約550万円相当になるという試算も示さ
れています。
大切なのは「貯金か投資か」という二者択一で考えないことです。生活に必要なお金は現金として確保する。そのうえで、当面使わないお金については、長期的に価値を維持・成長させる方法を考える。このように、目的によってお金の置き場所を分けることが重要です。

投資は「儲けるためだけ」のものではない

投資という言葉を聞くと「安く買って高く売る」「株価を予想して儲ける」というイメージを持つ方もいるでしょう。

しかし投資には本来の役割があります。それが企業や社会に資金を提供することです。例えば企業が新しい商品を開発したい、新しい工場をつくりたい、事業を海外に広げたいと考えたとします。そのためには資金が必要です。投資家から企業へ資金が提供されることで、企業はそのお金を使って事業を行います。企業が成長すれば、そこで働く人の雇用や所得につながり、新しい商品やサービスが生まれます。そして企業が利益を上げれば株主への配当などを通じて投資家へ還元されることもあります。
つまり、「投資家 → 企業・社会 → 成長 → 投資家」というお金の循環が生まれるのです。

「投資」と「投機」は同じではない

もう一つ投資初心者の方に知っておいていただきたいのが、「投資」と「投機」の違いです。
一般に投資というと、このようなイメージがあると思います。短期間の値動きを予想し「今買えば上がりそう」「明日は下がりそうだから売ろう」と売買を繰り返して利益を狙う場合、市場の動きを予測する必要がある、そして経済ニュースを確認したり、企業の情報を調べたり、日々の値動きを追い続けたりする必要もあるでしょう。でもこれは実は「投機」です。短期間で、市場の動きを予測し、投資先の選定・売買のタイミングを的中させる必要があるため、リスクの高いものとなります。これが「投資」という言葉で、表現されることが多いため、投資のイメージが悪い要因ともなっています。

これと異なり、本来は投資とは長期間かけて、少しずつ同じ金額を積立投資しながら、複数商品に分散させて運用していくものです。長い時間をかけることで経済成長の波に乗ることができ、積み立て・分散をすることでリスクを軽減していきます。これにより最終的には良い結果を得やすくなっています。

企業型DCで考えている資産形成は、この「投資」の考え方です。企業型DCは原則として老後に向けて長期間運用する制度です。毎月一定額を積み立てながら、投資対象や購入時期などを分散し、長い時間をかけて資産形成を行います。

つまりポイントになるのは、「長期・積立・分散」です。

毎日の値動きを予想して「当てる」ことを目指すのではなく、長い時間を使って経済成長の恩恵を受けながら資産を育てていく。これが、企業型DCで考える資産形成の基本です。

投資信託と企業型DCは相性が良い

ここまで整理すると、なぜ企業型DCで投資信託が利用されているのかが見えてきます。
企業型DCには「長期間運用できる」「毎月積み立てられる」「複数の運用商品から選べる」という特徴があります。
一方、投資信託には「複数の資産へ分散できる」「運用を専門家に任せられる」「比較的少額から投資できる」という特徴があります。
この二つを組み合わせることで、投資初心者でも「長期・積立・分散」を実践しやすくなります。だからといって企業型DCに加入して投資信託を選べば必ず資産が増えるということではありません。投資信託は元本が保証されている商品ではなく、運用状況によって資産額が減少することもあります。
また投資信託にも様々な種類があります。国内株式を中心に投資するもの、海外株式に投資するもの、債券中心のもの、株式と債券を組み合わせたバランス型など、商品によってリスクとリターンは異なります。
だからこそ企業型DCでは「投資信託を選べばよい」で終わるのではなく、その投資信託が何に投資している商品なのかを確認することが大切です。

企業型DCを始める前に、まず知っておきたいこと

投資について学び始めると「どの商品が一番増えるのか?」ということが気になりがちです。しかし本来はその前に考えておくことがあります。

まず、自分の生活に必要な現金は確保できているでしょうか。急な出費に対応できる貯蓄はあるでしょうか。近い将来使う予定のお金まで、投資に回そうとしていないでしょうか。資産形成は何か一つの制度だけですべてを解決するものではありません。
・短期的に必要なお金は貯蓄。

・中長期の資産形成にはNISAなど。

・老後に向けた長期的な資産形成には企業型DCやiDeCo。
このように、それぞれの制度の特徴を理解し、目的に応じて使い分けていくことが大切です。

まとめ 投資信託を知ると、企業型DCが分かりやすくなる

「投資信託って何ですか?」この質問への答えを一言で表すなら、「いろいろな投資先を一つにまとめ、専門家に運用してもらう金融商品」

と考えると分かりやすいでしょう。更に簡単に言えば「金融商品の幕の内弁当」です。株式や債券などを一つずつ自分で購入し、毎日の値動きを確認しながら売買することだけが投資ではありません。複数の資産に分散し、毎月少しずつ積み立て、長い時間をかけて運用していく方法もあります。
そして、その「長期・積立・分散」を実践しやすくしている制度の一つが企業型DCです。投資は短期間で大きく儲けることだけを目的とするものではありません。インフレによってお金の価値が変化していく中で将来必要となる資産を少しずつ準備していく。同時に投資したお金が企業や社会の活動資金となり、その成長が再び私たちに還元されていく。こうした仕組みを理解すると、「投資」という言葉に対する見え方も少し変わるのではないでしょうか。
企業型DCを始める際にも、最初から難しい金融知識をすべて身につける必要はありません。

まずは「投資信託とは何か」「何に投資しているのか」「なぜ分散するのか」「なぜ長く積み立てるのか」という基本から理解していくことが大切です。そのうえで、自分の年齢や運用期間、目標とする資産額、どこまで値動きを許容できるかを考えながら、自分に合った運用方法を選んでいきましょう。

 

 

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