社会福祉法人におけるスキルの「見える化」で、人材育成と処遇改善を実現
①相談内容
複数の介護サービス(入所、居宅、デイサービス等)を展開する社会福祉法人において、社内アンケートを実施したところ、半数以上の従業員が評価やキャリア、人材育成に対して不満を抱えていることが明らかとなった。
特に、介護職員・相談員・看護職員など多様な職種が混在し、業務内容や求められるスキルも幅広い中で、「誰がどのような業務を担い、どのような技術を持っているのか」を把握しづらい状況であった。
その結果、評価が経験年数に依存しやすく、適切な人材配置や育成、処遇に結びついていないという問題があった。
②争点
本件では主に以下の点が課題となっていた。
・職種・業務の多様性により、従業員のスキルや役割が可視化されていない
・スキルの比較基準がなく、評価が属人的または年功序列に偏りがち
・人材育成の方向性が明確でなく、キャリア形成の指針が不足している
特に、スキルを可視化し、それを基にした評価・育成の仕組みを作ることが重要な争点となった。
③解決内容
弊社では、人事評価システム「HRvis」を活用したスキルマップの構築・運用を支援した。
・スキルマップ機能を活用し、職種ごと・業務ごとに必要なスキルを整理
・従業員一人ひとりの保有スキルや対応可能業務をリスト化し、マップ上にして可視化
・スキルマップを利用した人材育成・評価の支援
これにより、
・「誰がどの業務を担え、どのレベルの技術を持っているか」が明確化
・職種や経験年数に依存しない、公平で納得感のある評価の実現
・育成すべきスキルが明確になり、人材育成の方向性を統一
・人事評価制度の整備により、介護職員処遇改善加算の取得にも寄与
といった成果につながった。
④社労士所感
社会福祉法人においては、サービスの多様性と職種の幅広さから、人材のスキルや役割がブラックボックス化しやすい傾向がある。
その結果、評価が経験年数や在籍期間に依存しやすくなり、本来評価されるべきスキルや貢献度が適切に反映されないケースも少なくない。
本件のように、スキルマップを活用して従業員の能力を可視化することは、人事評価だけでなく、人材配置や育成、さらには処遇改善にも大きく影響する。
今後、同様に多職種な会社においては、スキルの「見える化」を起点とした人事制度構築が、持続的な成長と人材定着の鍵になるといえる。




