有給休暇取得の突然の申し出について
①相談内容
年次有給休暇の申出期限を取得の1週間前までと定めている会社から、従業員から前日の有給休暇の申出があったが、拒否しても問題ないか相談がありました。
②争点
今回の争点は、会社で決めた期限を過ぎている、というだけの理由で、従業員の年次有給休暇の取得を拒むことができるかどうかです。
③解決内容
労働基準法には、年次有給休暇の申出期限について定めはありません。
一方で社員が指定した日に年次有給休暇を与えないことができるのは、事業の正常な運営を妨げる場合に限られているため、前日の申請であっても、それだけを理由に拒否することはできません。
事業の正常な運営を妨げる場合は、時季変更権を行使して他の日に変更させることができます。
ただし、この「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するケースは、意外にハードルが高く、非常に限定的に解釈されるため、例えば「繁忙のため」「申出期限をすぎているため」という理由だけでは該当しません。
業務に具体的で高度な支障が生じる程度でない場合は、柔軟に対応する必要があります。
④社労士所感
会社が時季変更権を行使するために必要な合理的な範囲内で申出期限をルールとして設けること自体は可能です。
会社において申出期限を「1週間前まで」としていることが、時季変更権の行使を検討するうえで合理的な期間であれば、そのルールに問題はありません。
一方で、従業員からの年次有給休暇の取得を拒否する場合は、単に社内の申出期限が過ぎているかどうかではなく、あくまで事業の正常な運営を妨げる場合に該当するかどうかで判断することが重要です。




