助成金を活用したPOSレジシステム機能拡張と賃上げの実現
①相談内容
複数店舗を運営する小売業のお客様から、POSレジシステムの運用についてご相談をいただきました。
商品マスターデータに売価情報が登録されていない商品があり、店舗では商品ごとにバーコードシールを貼付する作業が発生していました。そのため、店舗スタッフの負担が大きく、業務効率の改善が課題となっていました。
また、パート・アルバイト従業員が多く在籍しており、毎年の最低賃金引上げへの対応に伴い人件費が増加する中、生産性向上と賃上げを両立できる方法を検討したいとのご相談を受けました。
②争点
今回の争点は、POSレジシステムの機能拡張という設備投資に対して利用できる公的支援制度があるかという点でした。
また、パート・アルバイト社員が多く在籍しており、最低賃金引上げへの対応も必要であったため、設備投資と合わせると多くの費用が必要になるという課題がありました。
そのため、賃上げと設備投資を同時に進められる制度の活用が求められていました。
③解決内容
ヒアリングの結果、POSレジシステムの機能拡張によって店舗業務の効率化が見込まれ、さらにパート・アルバイト社員の賃上げも予定されていたことから、業務改善助成金の活用をご提案しました。
業務改善助成金とは、業務の生産性が上がる設備投資・コンサルティング等を行ったうえで、事業場内最低賃金を引き上げることによって、設備投資・コンサルティング等の費用の一部が助成されるという厚生労働省の公的制度です。
この助成金は会社ごとではなく事業場ごとで申請を行うため、複数の事業場を運営している企業であれば複数申請することができます。
対象企業は10店舗以上を運営しており、POSレジシステムは全店舗で利用するものでした。そこで、導入費用を事業場ごとに適切に整理したうえで申請を進めました。
その結果、
51.6万円 × 10事業場 = 516万円
の業務改善助成金を受給することができました。
設備投資の負担を大きく軽減しながら、業務効率化と賃上げを実現することができました。
④社労士所感
業務改善助成金は、賃上げと生産性向上につながる設備投資を支援する制度です。
特に複数の店舗や事業場を運営している企業では、助成金が事業場単位で支給されるため、今回の事例のように受給額が大きくなる可能性があります。
設備投資や賃上げを検討している際は、実施後ではなく計画段階で助成金を活用できるか確認することが重要です。今回の事例は、事前に制度を活用したことで大幅なコスト削減につながった好事例となりました。
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