年次有給休暇の付与・管理を効率化したい
①相談内容
A社では、これまで年次有給休暇は従業員ごとの入社日を基準として、入社から4か月経過時に初回の付与を行い、その後は入社から1年経過するごとに付与していました。しかし、従業員の増加に伴い、従業員ごとに異なる付与日を管理する事務担当者の負担が大きくなってきたため、年次有給休暇の付与・管理を効率化できないかとのご相談がありました。
②争点
今回の見直しにあたっては、主に次の2点が課題となりました。
- 年次有給休暇の付与手続きや管理を、より効率的にできないか
- 一斉付与方式へ変更した場合、入社時期によって付与日数などに有利・不利が生じる可能性があるため、できる限り公平な制度を設計したい
③解決内容
従業員ごとの入社日を基準とした付与方法を見直し、原則として全従業員の基準日を4月1日とする一斉付与方式へ変更することとしました。
制度設計にあたっては、1月から12月までの入社月ごとに付与日数をシミュレーションし、法定の付与要件を満たすことに加え、入社時期によって大きな差が生じないことにも配慮しました。その結果、入社月に応じて、2年目の付与時期を「4月」と「10月」の2つに区分することで、入社時期による大きな有利・不利を抑えながら、一斉付与による管理の効率化を図る制度を設計することができました。
また、クラウド型の勤怠管理システムを活用して年次有給休暇を管理することで、事務担当者の管理負担を軽減することができました。
④社労士所感
従業員数が増えてくると、年次有給休暇の付与に必要な出勤率の確認や、従業員ごとに異なる基準日の管理など、人事・労務担当者の負担も大きくなります。こうした場合には、年次有給休暇を管理できる勤怠管理システムの活用と併せて、年次有給休暇の一斉付与方式への変更を検討することも有効です。また、年次有給休暇の年5日の取得義務への対応も含め、企業にはこれまで以上に適切な年次有給休暇の管理が求められています。
一斉付与へ変更する際には、従業員に不利益が生じないよう、入社時期ごとの付与日や付与日数を十分に検討することが重要です。専門家に相談しながら、自社に合った確実で管理しやすい仕組みへの見直しをおすすめします。




